後ろ姿(君へ)

…見送られるのは苦手なのよ

別れ際の君の口癖

仕方なくそれじゃといつも

踵を返して歩く僕は

君の後ろ姿を見たことなかった

振り向けばいつも君は笑顔で

見えなくなるまで手を振ってたね


些細なことで喧嘩して

気まずいまま別れたあの日

振り返ったら君がいなくて

嫌な予感を振り払いたくて

慌てて君の姿を探したんだ


後ろ姿を見つけたけれど

段々 ちいさくなっていく背中が

足早に歩いて揺れる髪が

もう二度と手の届かないどこかに

消えてしまいそうで

気づいたら走り出していた


追いついて振り向かせた君の濡れた瞳

バカねと呟く君の震える唇

失う前に取り戻してよかったよ


ねぇ 知ってる?

別れ際の心細さ 消してくれる解決策

僕は知ってるよ

今はまだ言えないけれど

君にまだ言えないけれど


見送るのも 見送られるのも

寂しさも切なさも同じだから きっと