触れるか触れないか(あなたへ)

静かな海を眺めながら

互いの胸によぎる想い

交わす言葉は少なくていい


波音に紛れて伝わる息遣い

あなたがそこにいる気配

穏やかな時をそっと重ねる


あたしの視野に

あなたの左手

寄りかかれば支えてくれる

あなたの左肩

触れるか触れないか

ギリギリの距離

抱き合うよりも

あなたを感じる


…落ち着くね

あなたの声にそっと頷く

…海に来てよかったね

それだけ言って微笑むあたし


伝わったよね 想い

触れ合ったよね 心

沈む夕陽に照らされて

長い影がひとつになる

あたし あなたのなかに溶けていく


ギリギリのラインを楽しんでるような

あなたの余裕が 少し憎らしい

星野美咲 WEB詩集

Poem Story of Lovely Memory