8. 君がついた嘘

君はいつも「大丈夫」って言ってたね


忙しくしていた僕は

時間に追われて

君との時間を持てなくなってきて


君がひとりで

寂しがっているんじゃないかって

少しの時間に電話しても


君はいつでも

「大丈夫」って笑っていたね


心配そうな僕の声に

「あたしなら大丈夫だから」って

子供をあやすみたいに

受話器の向こうで君は笑った


だから僕は

段々 君の言葉を信じて

君の想いに甘えて

離れていても大丈夫だって

自分に言い聞かせていたんだ


ずっと

安心していたんだ

君は寂しがってないって


ずっと

信頼していたんだ

君の心は僕にあるって


君がほんとは寂しくて

笑顔の裏で泣いていたなんて

君の心が隙間だらけだったなんて


ほんの少しも気づかなかったんだ


君の嘘が見えなかった


僕には気づいてやれなかった


君がついた 精一杯の嘘に...


あなたは 自分に嘘をついてませんか?

星野美咲 WEB詩集

Poem Story of Lovely Memory