11. 僕は君を忘れたかった

君がいなくなって

僕はなにも手につかなくなって

いっそのこと みんな夢だったんだって

なにもかも 嘘だったんだって

君を忘れようとした


そうすることで

君への想いが ほんのちいさな過ちだったと

ほんの束の間の 悪戯なじゃれあいだったと

思えるならそれでいいと


僕は君を忘れたかった


でもね


いくら自分を騙しても

いくら心に蓋をしても

君への想いは消えなくて

思い出にさえならなくて


今もまだ僕を悩ませる


君を愛したことも

君が愛してくれたことも

確かに 記憶のなかに記されて


僕は君を忘れられない

忘れたくない


だから いいよね


君を忘れなくても

ずっと どこかで想っていても


君を愛したこと

君に愛されたこと


僕の誇りにしてもいいよね


あなたには 忘れたくないほど

愛した人はいますか?