12. 記憶の中の鮮やかな君に

移ろいゆく季節のなかで

僕は少しだけ大人になった


君と過ごしていたあの頃よりは

きっと少しだけ強くなって

きっと少しだけ優しくなった


もし今 君が横にいたら

「そんなことないよ

ちっとも変わってない」って

僕を横目でちらっと見ては 笑うのかな


もう隣りで 君が笑うことはないけれど

僕の記憶のなかに鮮やかに残る 君の笑顔は

これから先も消えることはない


たくさんのやさしさを

たくさんのやすらぎを

ありがとう


僕は君になにもしてやれなくて

甘えてばかりだったけれど

君の想いすべて

わかってはあげられなかったけれど


僕は君にやさしさあげられたかな

君は少しでも安らいでいたかな

僕と過ごした時間のなかで

君は君らしくいられたのかな


ねぇ 最後にひとつだけ

君に聞いてもいいかな


僕は君を

ちゃんと愛せていましたか?


いつか

遠い遠い いつか

もし僕たちが出逢えたら

そのとき 君の答えを聞かせて欲しい


いつか 逢えるよね

僕たち きっと


あなたの記憶のなかで

愛した人は微笑んでいますか?